活動記録

JTの広告に協力し、CMに出演されたことについてのお尋ね

京都市長
門川 大作 様
 
2010年4月2日
   
NPO法人京都禁煙推進研究会
理事長 栗岡成人
担当理事 森 忠昭

拝啓 貴職には平素から京都市民の健康増進と幸福実現のためにご尽力いただきありがとうございます。

私たちはタバコについて学び、広く禁煙を勧める活動を通じて、京都市民の命と健康を守ることを目指しているNPO団体です。タバコは吸う人にも吸わない人にも有害であるという共通認識のもとに、すでに10年以上にわたって京都市とは手を携えて卒煙支援や中学校・高校での喫煙防止教育活動などを行って参りました。

さて、世界保健機関(WHO)の国際条約であるタバコ規制枠組条約(FCTC)第8条ガイドラインには、「すべての締約国は、その国におけるFCTC発効後5年以内に(タバコの害からの)例外なき保護を実現するよう努力しなければならない。」と書かれています。その期限はまさに今年2月でした。

2003年に実施された健康増進法第25条には、施設管理者の「受動喫煙防止」義務が定められていますが、罰則規定がなく受動喫煙防止には不十分です。職場を含む公共の場所の喫煙規制が不十分なため、受動喫煙の健康被害が絶え間なく発生しており、受動喫煙防止条例の制定は緊急の課題です。

このような状況のなかで、国際観光都市である京都市の長が、日本たばこ産業株式会社(JT)を称賛する文章をだされ、ともにコマーシャルに出ておられるのをみて会員一同、驚愕しております。ご存じのことと思いますが、FCTCの第13条はタバコ会社と連携したり後援を受けたりすることが、タバコの害を矮小化しタバコ病に苦しむ人を増やす恐れがあるため、締約国に対し早急に禁止等の措置をとるように求めています。

JTが行った木屋町四条の喫煙所設置・寄贈、 “ひろえば街が好きになる運動”と称するまちの美化キャンペーン(タバコの吸殻拾い)、今回の“さくらよさこい”の後援などから、タバコ産業が京都をよくする活動をしている企業であると、もしお考えでしたら、早急に同封のファクトシートを全部署で回覧いただき、京都市全体で認識を新たにしていただかねばなりません。拾われているゴミの中で最も多いのは吸殻であり、多くのボランテイアは実質的には、一企業が利益を上げるために捨てられたゴミを拾わされています。コンビニエンスストアにあふれているおまけつきのタバコなどは、まさによさこいを踊る大学生はじめ未成年をターゲットにしていることは明らかです。このようなタバコ産業の動きの中で、若者とタバコ産業とをつなぐ役割を京都市が果たしてしまったということについて、市民としても非常に残念に思います。

「喫煙マナーを守れば住みやすくなる;分煙の推進」などのテレビコマーシャルや缶飲料や食品、医薬品などのコマーシャル、そしてこうした企業の社会的責任(CSR)活動から、真の実態を知らない一般の人々は、JTの活動を賞賛するかも知れません。しかしながら、タバコは毒物が含まれており、環境破壊を惹き起こしているという事実が認識されれば、こうした活動にどれだけの方が賛意を示されるでしょうか?このような活動は、企業イメージを高めることで、少しでも多くの人にタバコを吸ってもらおうというタバコ産業の生き残り戦略だということが明らかになってきています。逆に、タバコが社会に多大な損失を与えていることはWHOや世界銀行のレポート等からも明らかであり、世界の多くの国々で、国や地方自治体がタバコ会社を訴え、多額の賠償金を得ています。

医学の分野では、今やタバコ産業から少しでも助成金など受けた研究者の論文は受け入れられません。自治体も、市民の命や環境を守る使命があるという意味で、同じことです。タバコ産業を支援することはもちろん、タバコ産業から後援を受けることも行政の使命を損ないかねません。一方で、タバコを吸う人が減れば、国保の支出も減り、火事も減り、貧困家庭も減り、京都市の財政にも大きなプラスになる可能性があります。

どうぞ以上の事実をご賢察いただき、善処されますようお願い申しあげますとともに、タバコによる社会的損失およびFCTCに対する貴職のご認識と、今後京都市がタバコ産業とどのように付き合ってゆかれるかについてお尋ねしたいと存じます。ご多用中誠に恐縮ですが、可及的速やかにご回答いただきますようお願い申し上げます。

最後になりましたが、貴職のますますのご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
敬白


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